認知機能強化トレーニング(COGET)

子どもたちの支援には社会面、学習面、身体面といった角度からのアプローチがあります。社会面では対人スキルや感情統制力、問題解決力の向上など、学習面では認知機能の強化、身体面では身体的不器用さの改善などです。認知機能の強化が学習面で必要と考えるのは、認知機能そのものが学習の土台となっているからです。認知機能には記憶、知覚、注意、言語理解、判断・推論といった要素が含まれていますが、これらのうち一つでも欠ければ学習は言うまでもなく日常生活さえ満足に送れないでしょう。コグトレはそれぞれの認知機能の要素が強化できるよう対応した紙と鉛筆を使ったトレーニングです。

コグトレの必要性を感じたのは少年院に在院する非行少年たちの中に簡単な図形さえ正確に模写できない、短い文章を復唱できない少年たちが少なからずいたからでした。彼らはみる力、きく力、見えないものを想像する力といった認知機能が弱く勉強や運動、日常生活において相当な苦労をし、学校で挫折を味わい続けてきたであろうことが容易に想像されました。それらが彼らの非行の一因になっているケースもありました。そこで非行の反省もさることながら、彼らの認知機能の弱さを何とかしてあげなければと思い、約5年の歳月をかけコグトレを開発してきました。

コグトレは主に小学生を対象に作ってありますが、幼児の早期教育、知的なハンディをもった中・高校生への学習支援、高齢者の認知症予防、統合失調症や高次脳機能障害の認知機能リハビリテーション等にも十分に利用可能です。やる気はあっても認知機能の弱さから勉強に困っている子どもたちにとって、コグトレが勉強好きになるきっかけの一つになればと、心から願ってやみません。

トレーニング構成

COGETは ①覚える、②写す、③見つける、④数える、⑤想像するの5つのトレーニングから構成されます。

・みる力の基礎力をつけたい

(漢字が覚えられない、マス目から字がはみ出す、簡単な図形も模写できない、など)
      ⇒ 「写す」

・みる力の応用力をつけたい

(見落としが多い、黒板を写せない、など)
      ⇒ 「見つける」
      ⇒ 「覚える」の「何があった?、数字(文字、記号、○、アレ)はどこ?」

・きく力の基礎力をつけたい

(聞き間違いが多い、ちゃんと聞いていないように思える、短い文章も復唱できない、など)
      ⇒ 「覚える」の「最初とポン、最後とポン」

・きく力の応用力をつけたい

(聞き間違いはないが、内容が理解できていない、など)
      ⇒ 「覚える」の「何が一番?、何が何番?」

・処理スピードを上げたい・注意力をつけたい

(ゆっくりやればできるがスピードが遅い、やればできるのに不注意が多い、など)
      ⇒ 「数える」

・想像力や考える力をつけたい

(見たり、聞いたりする力、計算や漢字は問題ないが、応用力が弱い、など)
      ⇒ 「想像する」

・トレーニング構成

COGETは ①覚える、②写す、③見つける、④数える、⑤想像するの5つのトレーニングから構成されます。

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