コグトレ通信56

コグトレ通信 vol.56

平素よりお世話になっております。

まだまだ厳しい暑さが続いておりますが、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
コグトレ通信第56回をお届けします。本メールは日本COG-TR学会の会員様にお送りさせて頂いております。

今回のコラムは、日本COG-TR学会副代表理事の宮口英樹先生です。

 

「聞く力を伸ばす」

コグトレの認知機能強化トレーニング(COGET)は、学習の基本的機能である聞く力、見る力、想像する力を身に着けるトレーニングです。
最近、学校現場だけではなく、就労支援の現場など多くの場面において、子どもたちの「聞く力」が弱いと耳にする機会が明らかに増えたと感じています。
スマートフォンやタブレットが身近になり、画像のない情報に触れる機会は減少していますが、友人との会話、仕事場での電話でのやりとりなど、画像情報がない場面は変わらず日常生活に溢れています。
「聞く力」は、会話の言葉を覚えておくことだけではなく、会話の内容を時系列に整理し、必要でない情報を取捨選択する能力が含まれます。
認知機能検査の一つであるDN-CASでは継次的処理に該当する項目を想像してもらえると良いでしょう。

「聞く力」が弱い子どもたちが何につまずきやすいか想像してみてください。
初めに思い浮かぶのは、言われたことが出来ないと見られることでしょう。
周囲からは何度言っても、覚えていない、何度も同じ失敗をすると思われているかもしれません。
また、自ら質問することがあまり見られないかもしれません。
質問する力は、アクティブリスニングという言葉のイメージに近いと思っています。
適切に質問するためには、相手の話を聞く力が必要というわけです。
近年、マインドワンダリングという概念が注目されています。
マインドワンダリングとは、例えば、授業で話の内容が難しいと感じている子どもが、心の中で「今日はカレー食べたいなあ」「あの先生の服は派手だな」といったように直接先生の話とは関係のない他のことに注意が向けられていく状態のことをいいます。
マインドワンダリングは、聞く力だけではなく、運動時や見ている活動中にも生じると考えられています。
私たちが自動車で慣れた道を運転中に、ふと色んなことが頭に浮かばないでしょうか。
つまり、初心者や不慣れな道を運転しているときには、マインドワンダリング状態にはなりにくいということです。

私たちが行ってきたコグトレの研究を通じて、「聞く力」を伸ばすための手がかり(仮説)は、明確になりつつあります。
今後検証が出来次第、COG-TR学会でも報告していきたいと思います。

日本COG-TR学会 副代表理事 宮口英樹

 

第二回日本COG-TR学会学術集会⑨

お盆を過ぎた頃から、風が変わり秋を感じるようになりました。
一方、コロナ感染拡大は今なお続いています。皆様、どうぞご自愛ください。

8月21日(日)には、無事に第二回学術集会を終えることができました。
「コグトレで自己効力感を高める~包括的支援でスパイラルアップ~」と題して行い、多くの方にご参加いただいて開催しました。

大会長講演「コグトレで自己効力感を高める~包括的支援でスパイラルアップ~」から始まり、特別講演「みんなの学校をつくるために~コグトレの有効性~」では、木村泰子先生に「みんなの学校」と「コグトレ」の共通性をご示唆いただきました。
教育講演「適応行動に導く対処法」では、伊丹昌一先生にポジティブ行動支援についてお話いただきました。
ミニセミナーでは、青山芳文先生から、「幼児期の発達と『もっとやさしいコグトレ』」について、発達との関連性をご教示いただきました。

また、指定討論、研究発表では、様々なお立場で、子どもに寄り添った取り組みをご紹介いただきました。
宮口英樹先生から講評をいただき、内容についてさらに深めることができました。

最後に、石附先生から次回学術集会の案内をいただきました。
来年は、北九州市で開催されます。皆様と、またお目にかかれることを楽しみにしております。

こうして無事に閉幕できましたのも、参加者の皆様のご協力のおかげと感謝いたします。
8月29日(月)からオンデマンド配信もございますので、ご視聴いただければ幸いです。

第二回COG-TR学会学術集会 大会長 井阪幸恵

 

「傷ついた子を救うために マンガでわかる境界知能とグレーゾーンの子どもたち4」の発売のお知らせ

扶桑社より、マンガでわかる境界知能とグレーゾーンの子どもたちシリーズの4巻目が9月2日に発売となります。
「児童養護施設」や再非行少年を受け入れる「少年院」教育のあり方は、学校や日常生活で困っている子どもを支援するための何らかのヒントとなるはずです。
https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594091521
【著者】宮口幸治(著)、佐々木昭后(作画)

 

オリジナルコグトレ教材の公開

会員限定ページにてオリジナルコグトレ教材の公開です。
※無断転用はお控えください

最初とポン⑪⑫

『1日5分 教室で使える漢字コグトレ 小学2年生』(覚える)より、東洋館出版社のご厚意のもと当学会で作成。MP3再生機でご利用ください。

最初とポン⑨⑩

※前号に添付致しました最初とポン⑨⑩に不備がございました。大変失礼いたしました。
本号に最初とポン⑨⑩も再度添付していますのでこちらをご利用ください。

 

学会誌「コグトレ研究」原稿募集

学会誌「コグトレ研究」第3巻の各種原稿
研究論文(査読有)・・質的分析、量的統計解析等を含むもの
実践報告(査読有)・・質的分析、量的統計解析等を含むもの
資料(研究ノート・報告)・・コグトレの取り組み等を報告・紹介するもの
をお待ちしております。詳しくはHP内の「機関誌」の投稿規定をご覧ください。
なお第3巻の原稿締め切りは2022年8月末日予定です。
(これまでの学会誌はこちらから購入できます https://cog-tr.net/kikansi/ )

 

【研究会だより】(各研究会の活動をご紹介していきます。)

いろいろな地域で研究会が立ち上がり、様々な活動をされています。
お近くの研究会、気になる研究会の会員になられてはいかがでしょうか。
広報担当より毎月各研究会の代表者に原稿募集の案内をしております。
紹介して欲しい内容がありましたら、是非お寄せください。

 

【会員からの声】(会員の皆様からいただいた情報をお知らせしていきます。)

会員の皆様が開催されている『コグトレ初級コース』の参加者募集やコグトレ勉強会の告知、コグトレの実践紹介など、お寄せいただいた情報をお知らせしていきます。
そのため、会員の皆様にも広く情報を募集いたします。

情報をいただく専用メールアドレスはcogtrtusin@yahoo.co.jpです。ご連絡をお待ちしています。
※掲載されたい文章をお送りください。チラシ等の画像類は掲載できかねます。

 

【過去のコグトレ通信・音源】

配信済のコグトレ通信は日本COG-TR学会の会員限定ページでご確認いただけます。
是非お時間があるときにご一読ください。
音源も日本COG-TR学会の会員限定ページにて過去の音源を聞くことができます。
無断転載のないよう留意しながらお役立てください。

 

【広報より】

8月21日(日)に行われました第二回日本COG-TR学会は盛況のうちに終わりました。ご参加いただきありがとうございました。
発表いただいた先生方、学術集会in Osakaを開催するにあたり約1年をかけて準備して下さったスタッフの皆様お疲れ様でした。
発表された先生方、スタッフの方によって参加者された方々は多くの学びを得ることができたと思います。
この学びは現在関わっておられる支援を必要とする人への対応のヒントとして日常に活かせると思います。
会員の皆様。次回は北九州市での開催です。
第三回も多くの学びが得られるようスタッフは1年をかけ準備してまいります。
会員の皆様、来年度の学術集会を楽しみにしていただけたら幸いです。

 

2022年8月26日
一般社団法人日本COG-TR学会
広報部

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