コグトレ通信 vol.49
平素よりお世話になっております。
風薫るさわやかな季節となりましたが、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
コグトレ通信第49回をお届けします。本メールは日本COG-TR学会の会員様にお送りさせて頂いております。
今回のコラムは、日本COG-TR学会理事の閑喜美史先生です。
『コグトレで学ぼう − COGST 「うまく謝ろう・断ろう①」 から』
小学校高学年の少人数クラスで、「うまく謝ろう・断ろう①」に取り組みました。
ともこさんの家にゆうかさんが遊びに来る予定でずっと待っていたのに来ませんでした。翌日ゆうかさんが謝りに来ました。でも、ともこさんは許しませんでした。〈ゆうかさんはどう言ったのでしょうか?〉〈ゆうかさんは、どのように謝ればよかったでしょうか?〉です。
子どもたちは、「ありえない。スマホもなかったのかなあ。」「普通、その日に連絡するやろう。ヤバッ!。ってか、その時にすぐ言うやろう。」などと楽しみながら、状況の理解を進めていきます。
そして、〈どう言ったのでしょうか?〉に、「『謝りにきたよ』と、軽く言った。」、「『許せよ』って上から言葉で言った。」、「『許す?許さない?どっち?』って言った。」、「普通、人が謝りに来て 『許さない』 なんて言わないからわかんない。」など、友達の意見と自分の場合とを照らし合わせながら想像を広げていきます。
〈どのように謝ればよかったでしょうか?〉には、「『ごめん、ごめん、ごめん』って、許してくれるまで言い続ける。」、「違うよ。お願いだからね、『許して、許して、許して』 の方が良くない?」、「いや、もうしないと思ってるんだから、『今回だけ、許してください。』じゃないかな?」など、友達の考えに自分の考えを加える意見が交わされるようになりました。
そして、子どもたち曰く、「恐怖のロールプレイ」です。「自分の座席で、シートに書いた言葉を読む。」と、ハードルを下げます。子どもたちはシートを握りしめ、何度もシートを確認しながら自分が書いた言葉を読んでいましたが、次第に「take2!」などと言い始めました。「繰り返しばかりじゃなくて、『本当に』 をつけて言ってみたら?」「丁寧な 『ごめんなさい』 にしてみたら?」「今の、すごくいい。その言い方だったら、絶対許してもらえるわ!」と、拍手につながりました。
子どもたちの互いに学びあう力は素晴らしいです!
梅花女子大学 閑喜 美史
第2回 COG-TR学会学術集会ニュース④
日差しの強さに、夏が近づいていることを感じるようになりました。
第2回学術集会の参加申し込みも増えてきている状況です。皆様、ありがとうございます。
今回の参加方法は、三つあります。
一つ目は会場参加、二つ目はオンライン参加、三つ目は、オンデマンド配信による参加です。
まだまだ感染状況の予想が立たず不安、直接行かなくてもその場で見たい等のご要望に対応し、オンラインやオンデマンドもご用意いたしました。どうぞご活用ください。
下記URLからお申込みいただけます。
(学会HP「学術集会」のページからもお申込みいただけます。会員の方は、会員パスワードが必要になりますので、コグトレ事務局より通知された会員限定ページのパスワードを入力してください。)
参加申し込みは、ページの下方にあります。どうぞ、よろしくお願いいたします。
https://www.cog-osaka.net/academicmeeting
第2回COG-TR学会学術集会 会長 井阪幸恵
会員のご案内(再掲)
先日、4月15日(金)に2022年度の会員更新のご案内メールをお送りいたしました。
継続をご希望される場合も、ご希望されない場合もメールをご確認いただきますようお願いいたします。
オリジナルコグトレ教材の公開
会員限定ページにてオリジナルコグトレ教材の公開です。
※無断転用はお控えください
『1日5分 教室で使える漢字コグトレ 小学1年生』(覚える)より、東洋館出版社のご厚意のもと当学会で作成。MP3再生機でご利用ください。
令和4年度第2回オンライン研修会のご案内
5月29 日(日)10時~11時にて第2回オンライン研修会を開催予定です。
次回のテーマと講師は以下の通りです(予定)。
お申し込みはHPの会員限定ページからのご案内になります。
広島大学・日本COG-TR学会副代表理事 宮口英樹「COGOTの基となる考え方とCOGET との関連」
和泉市国府小学校・日本COG-TR学会理事 井阪幸恵「コグトレの実践的使用法1」
「ひらがなコグトレ」のご案内
「認知機能トレーニング+ひらがな学習」で学習の土台を育みます。
「見つける力」や「数える力」「想像する力」を伸ばすトレーニングが100題収録されています。
就学前や小学校低学年の子どもにぴったりのドリル。5月11日、東洋館出版社から発売。
https://www.toyokan.co.jp/products/4766
学会誌「コグトレ研究」原稿募集(第2巻の原稿募集は締め切りました)
学会誌「コグトレ研究」第3巻の各種原稿
研究論文(査読有)・・質的分析、量的統計解析等を含むもの
実践報告(査読有)・・質的分析、量的統計解析等を含むもの
資料(研究ノート)(査読なし)・・コグトレの取り組み等を報告するもの
をお待ちしております。詳しくはHP内の「機関誌」の投稿規定をご覧ください。
なお第3巻の原稿締め切りは2022年8月末日です。
【研究会だより】(各研究会の活動をご紹介していきます。)
放課後等デイサービスにて勤務されている佐野先生より、職場にてコグトレを用いた様子をご紹介いただきました。
コグトレ棒の用い方、COGOTの導入、お子さんに合わせた方法など、様々なヒントが得られるかもしれません。ぜひ皆様以下のお話をご一読されてはいかがでしょうか。
児童デイサービスつむぎの里で、放課後等デイサービスに非常勤として勤務する作業療法士の佐野弥生と申します。
昨年よりコグトレ棒を使って療育を行い始めました。
特別支援学校の小、中学生のお子さん4人と普通小学校支援級のお子さん4人が一緒に集団活動をしています。
身体の動きの組み立て方や体力も握力も弱いお子さん用として、棒のサイズを小さくして、大中小と棒のサイズを揃えました。
理解力が低い場合でも、動作模倣が可能で感覚運動機能の良いお子さんは興味を持ちすぐに取り組めました(棒回転とキャッチ棒)。
導入が難しいのは、感覚過敏と感覚探求を行ったり来たりする感覚調整の難しいお子さんでした。
失敗に弱く、その場から逃げる傾向があるため、遠くから見るだけでも了承していました。
できる、できないがどんどんはっきりする状況は療育とは名ばかりの本末転倒になるため、しばらく中断し、そのお子さんと会話や好きな遊びに付き合いました。
1ヶ月ぶりくらいにCOGOTの柔軟運動を取り入れました。
立って動作することはバランスの弱いお子さんには難しいため、全員一人一人マット上で寝てもらい、コグトレ棒を握って姿勢を整えてもらいました。
そのお子さんは、絵を見て説明を受けると触られることへの抵抗が減り、リラックスできたようでした。
体幹や頚部の回旋はあぐらや正座でおこなうとやりやすいようでした。
どんな活動でも導入が大切ですが、保育士の先生にうまくお子さんを誘ってもらうことや、運動感覚面のアセスメントをおこなうことなど、そのお子さんに合わせた対応に心がけることの大切さに改めて気付かされました。
新しい体験を、お子さんや職員の方々と共に勉強している所存ですので、今後ともよろしくお願いいたします。
活動を共有していただきありがとうございました。
いろいろな地域で研究会が立ち上がり、様々な活動をされています。
お近くの研究会、気になる研究会の会員になられてはいかがでしょうか。
広報担当より毎月各研究会の代表者に原稿募集の案内をしております。
紹介して欲しい内容がありましたら、是非お寄せください。
【会員からの声】(会員の皆様からいただいた情報をお知らせしていきます。)
会員の皆様が実施されているコグトレ内容や地域でのコグトレ勉強会の告知など、お寄せいただいた情報をお知らせしていきます。
そのため、会員の皆様にも広く情報を募集いたします。
情報をいただく専用メールアドレスはcogtrtusin@yahoo.co.jpです。ご連絡をお待ちしています。
※掲載されたい文章をお送りください。チラシ等の画像類は掲載できかねます。
2022年5月13日
一般社団法人日本COG-TR学会
広報部